古いiOSのiPhoneに入り込んで情報を盗む攻撃ツール「DarkSword(ダークソード)」に、新しいタイプが見つかったと報じられています。
攻撃に使われる弱点はAppleがすでに修正しているため、iPhoneを最新のiOSにしておくことが一番の対策です。
この記事では、DarkSwordで狙われるiOSのバージョン、自分のiPhoneが対象かを確かめる方法、アップデートのやり方、アップデートできないときの選択肢をまとめます。
- DarkSwordが狙うのは、iOS 18.4〜18.7のiPhone
- 使われる弱点はAppleが修正済みで、最新のiOSにすれば防げる
- 新型「P7 DarkSword」は、保存したパスワードや暗号資産ウォレットの情報を盗む
- Instagramの広告を眺めていただけで感染した例も報告されている
DarkSwordとは?iPhoneを狙う攻撃ツールの発表内容
DarkSwordは、Webページを開いたiPhoneに、iOSの弱点(脆弱性)を突いて入り込む攻撃ツールです。
DarkSwordについて詳しく公表したのが、Googleの脅威分析チームです。
Google Threat Intelligence Group(GTIG)のブログは2026年3月、DarkSwordがiOS 18.4〜18.7に対応し、6つの脆弱性を組み合わせて使うと発表しました。
GTIGは、少なくとも2025年11月から、複数の監視ソフト業者や国家の関与が疑われるグループがDarkSwordを使っているのを確認したとしています。
攻撃の舞台はWebです。
GTIGの報告では、Snapchatに見せかけたサイトや、乗っ取られたウクライナのWebサイトから攻撃が仕掛けられていました。
攻撃の部品はすべてJavaScriptで作られており、SafariなどでWebの内容を読み込む部分の弱点が入り口になります。
GTIGは、使われた脆弱性をすべてAppleに報告済みで、iOS 26.3の時点ですべて修正された(多くはそれより前に修正済み)と説明しています。
新型「P7 DarkSword」でパスワードや暗号資産の情報も標的に
今回あらためて話題になったのは、DarkSwordの新しいタイプが見つかったためです。
iPhoneのセキュリティ企業iVerifyは2026年10月8日、P7 DarkSwordと名付けた新型の分析を公開しました。
2026年8月に顧客のiPhoneで見つかった感染を調べたところ、これまでにない型だったといいます。
iVerifyによると、P7 DarkSwordはこれまでの型より端末に残す痕跡を減らしています。
さらに、iPhoneの「キーチェーン」(保存したパスワードなどを入れておく仕組み)と暗号資産ウォレットの情報を盗む機能と、攻撃者のサーバーとやり取りしながら命令を受ける機能が加わっています。
Instagramの広告を眺めていただけで感染した例
感染の経路についても、新しい報告が出ています。
iVerifyが2026年10月21日に公開したReport URIとの共同調査では、ワールドカップを題材にしたInstagramの悪意ある広告から、P7 DarkSwordに感染した例が紹介されています。
感染したのはiVerifyの顧客企業の従業員の端末で、アプリでフィードをスクロールしていただけだったとされています。
同じ調査では、使われなくなった広告や分析用のドメインを攻撃者が買い取り、そのコードを読み込んでいる多数のWebサイトを通じて、DarkSwordや「Coruna」という別の攻撃ツールを送り込む手口も報告されています。
iVerifyは、どちらの攻撃ツールも古いバージョンのiOSを狙うものだと説明しています。
DarkSwordで狙われるiPhoneとiOSのバージョン
DarkSwordの被害を受ける可能性があるのは、弱点が修正される前のiOSを使い続けているiPhoneです。
GTIGの発表では、狙われるのはiOS 18.4〜18.7で、修正はiOS 26.3までにすべて行われました。
iOS 18を使い続けている人向けにも、Appleは修正を出しています。
AppleのiOS 18.7.7のセキュリティ情報には、「2026年4月1日に、iOS 18.7.7がより多くのデバイスで利用可能になったことに伴い、自動アップデートを有効にしているユーザーは、「DarkSword」というウェブ攻撃に対する重要なセキュリティ保護を自動的に受けられるようになりました」と書かれています。
同じページには、DarkSwordによる攻撃に関する修正は2025年に初めて提供された、とも書かれています。
iOS 18.4〜18.7のまま長くアップデートしていないiPhoneは、早めに更新しておきましょう。
機種ごとに提供されている最新のiOS
アップデートしたときに入るiOSのバージョンは、機種によって違います。
Appleのセキュリティリリース一覧に載っている、iPhone向けの最新のアップデート(2026年10月28日時点)は次のとおりです。
| iPhoneの機種 | 提供されている最新のアップデート | リリース日 |
|---|---|---|
| iPhone 11以降 | iOS 27.2、iOS 26.7.2 | 2026年10月26日 |
| iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR | iOS 18.7.11 | 2026年10月26日 |
| iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone X | iOS 16.7.16 | 2026年5月11日 |
| iPhone 6s、iPhone 7、iPhone SE(第1世代) | iOS 15.8.8 | 2026年5月11日 |
同じ一覧では、iOSとiPadOSの最新バージョンは27.2とされています。
DarkSword対策の基本はiPhoneのアップデート、やり方と確認方法
DarkSwordへの対策として、GTIGもiVerifyも、iPhoneを最新のiOSにアップデートするよう呼びかけています。
今のiOSのバージョンは、アップデートの画面でそのまま確かめられます。
Appleのアップデート方法のページによると、「ソフトウェアアップデート」を開くと、現在インストールされているiOSのバージョンと、アップデートが提供されているかどうかが表示されます。
アップデートの前に、iCloudまたはコンピュータを使ってiPhoneをバックアップしておきます。
iPhoneを電源に接続し、Wi-Fiでインターネットに接続します。
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」の順にタップします。
ここで今のiOSのバージョンと、提供されているアップデートを確認できます。
アップデートが提供されていれば「ダウンロードしてインストール」をタップし、画面の案内に従います。
同じページでは、容量が足りないときにアプリを一時的に削除してよいか聞かれることがあり、「続ける」を選ぶとインストール後に自動で再インストールされると案内しています。
VPNやプロキシで接続しているとアップデートのサーバーにつながらないことがある、とも書かれています。
自動アップデートをオンにしておく
今後の修正を取りこぼさないためには、自動アップデートの設定が役立ちます。
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」→「自動アップデート」で「自動インストール」をオンにすると、充電中でWi-Fiにつながっている夜間に、アップデートがダウンロード・インストールされます。
Appleは、ソフトウェアを常に最新にしておくことを、Apple製品を安全に使うための最も重要な方策の1つとしています。
アップデートの前には必ずバックアップを取っておきましょう。
Appleのセキュリティリリース一覧によると、iOSのアップデートをインストールした後で、それ以前のバージョンにダウングレードすることはできません。
アップデートできないときのDarkSword対策、ロックダウンモードの注意点
すぐにアップデートできない事情がある場合の選択肢として、GTIGはロックダウンモードを挙げています。
ロックダウンモードは、ごく一部の人がねらわれるような高度な攻撃から端末を守るための、任意で使える機能です。
Appleのロックダウンモードの説明によると、オンにすると、一部の複雑なWeb技術がブロックされるほか、メッセージの添付ファイルのほとんどがブロックされるなど、iPhoneが普段どおりには動かなくなります。
Webサイトの読み込みに時間がかかったり、正しく表示されなくなったりすることもあります。
iVerifyは、暗号資産を多く持っている人など、ねらわれる可能性がある人にはロックダウンモードを勧めつつ、使い勝手が大きく変わる点にも触れています。
ロックダウンモードは、「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「ロックダウンモード」→「ロックダウンモードをオンにする」→「オンにして再起動」の順で有効にできます。
Appleは、すべての対策を受けられるよう、ロックダウンモードを有効にする前にもソフトウェアを最新にしておくよう案内しています。
DarkSwordの感染が心配なときにiVerifyが勧めていること
自分のiPhoneが感染したかもしれないと心配な人に向けて、iVerifyは10月21日の調査の中で対処の流れを示しています。
iVerifyの案内は、まず自社の無料アプリ「iVerify Basic」で調べて記録を残し、そのあとiPhoneを再起動して、キーチェーンに保存しているパスワードを変更するというものです。
暗号資産を持っている場合は、新しい復元フレーズ(ウォレットを復元するための単語の組み合わせ)を使った新しいウォレットに移すよう勧めています。
iVerifyの調査では、攻撃した側の主な目的はお金で、暗号資産のウォレットを狙うほか、位置情報、パスワード、メッセージ、連絡先などを抜き取れる機能があるとされています。
DarkSwordの今後、iOS 26・27を狙う動きの報告
DarkSwordが狙うのはiOS 18.4〜18.7ですが、攻撃する側は新しいiOSへの対応も試みています。
iVerifyは10月21日の調査で、CorunaとDarkSwordをiOS 26や27向けに作り変えようとする試みを確認しているものの、今のところほとんどは動かないものだと説明しています。
一方で、攻撃の仕組みの中には、将来のiOS 26・27向けの攻撃ツールを送り込むための準備があったとも報告しています。
Appleは、DarkSwordに関して新しいアップデートの予定などを、10月28日時点では発表していません。
DarkSword対策はiPhoneを最新のiOSにすることから
DarkSwordはiOS 18.4〜18.7のiPhoneを狙う攻撃ツールで、新型はパスワードや暗号資産ウォレットの情報まで盗むと報告されています。
使われる弱点はAppleが修正済みなので、「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」で今のiOSを確かめ、提供されている最新のバージョンにしておくことが一番の対策です。
あわせて自動アップデートをオンにしておけば、今後の修正も早く受け取れます。

