GMOインターネットが提供する「お名前.com デスクトップクラウド」が第三者による不正アクセスを受け、サービスが止まっています。
2026年10月21日の第1報から、10月27日夜の第12報まで、GMOインターネットは1週間で12回のお知らせを出しました。
この記事では、公式発表をもとに、これまでの時系列と10月27日時点の現状、利用者が今やること、見舞金と補償の内容をまとめます。
- 10月20日に不正なプログラムを確認し、21日から全プランのサーバーを停止中
- 影響の可能性があるサーバーは2万6739件。取引口座の不正な取引の報告も出ている
- 利用者全員に一律5000円の見舞金、不正取引による損失の補償、代替サービスの6か月無償提供を発表
- 10月27日、攻撃者とみられる者による情報の公開を確認。GMOは公開された情報にアクセスしたり拡散したりしないよう呼びかけている
お名前.com デスクトップクラウドの不正アクセスで何が起きたのか
お名前.com デスクトップクラウドは、Windowsのデスクトップ環境をクラウド上で使えるサービスです。
証券会社やFX会社の取引ツール(MT4/MT5など)を、このサービスのサーバー上で動かしていた利用者もいました。
第1報によると、2026年10月20日、一部の利用者のサーバー環境に、第三者による不正なプログラムが置かれていることが確認されました。
影響の可能性があるサーバーは2万6739件で、GMOインターネットは、これは対象になりうる数で、不正アクセスや情報の取得が確認された件数ではないと説明しています。
その後、サーバー内に保存されていた取引口座のログイン情報などが第三者に取得され、不正に使われた可能性があることが分かりました。
第4報では、システムにセキュリティ上の問題があり、利用者の情報が外部に持ち出された事実を確認したと発表しています。
一部の利用者からは、取引口座で身に覚えのない取引があったという報告も寄せられています。
なお、クレジットカード情報を含む決済情報は、このサービスのサーバー上では保持していないとされています。
ただし、利用者が自分でサーバー内に保存した情報は、影響の範囲に含まれます。
お名前.com デスクトップクラウド不正アクセスの時系列(第1報〜第12報)
GMOインターネットのお知らせに書かれた経緯を、日付順にまとめます。
| 日時 | 主な出来事 |
|---|---|
| 10月19日(月) | 利用者からの問い合わせを受けて調査を開始 |
| 10月20日(火) | 不正なプログラムの設置を確認。新規申し込みとコントロールパネルを停止 |
| 10月21日(水)4:00 | 全プランのサーバーを順次停止し、第1報を掲載。同日、脅迫メールを受信(約80億円の要求) |
| 10月22日(木) | 13:00に警察に相談。16:59の第2報で、取引口座のパスワード変更とセッションの切断を呼びかけ |
| 10月23日(金) | 第3報で、パスワード変更は取引に使っていない端末から行うことなどを案内 |
| 10月24日(土) | 第4報で、見舞金、損失の補償、代替サービスの提供を決定。能動的サイバー防御の適用を政府関係機関に要請。第5報で端末のスキャンとバックアップを依頼 |
| 10月25日(日) | 利用者に端末の調査への協力を依頼 |
| 10月26日(月) | 第6報で利用者へのお願いを再掲。第7報で、預かった端末の解析を始めたことと、攻撃者とみられる者から10月27日12時に情報公開とランサムウェア攻撃を行うとの予告を受けたことを公表 |
| 10月27日(火)9:58 | 第8報で、12時の予告に備えてパソコンのネットワークを切り、電源を落とすよう依頼 |
| 10月27日(火)11:59 | 第9報で、解析を終えた端末からはマルウェアが確認されていないと報告 |
| 10月27日(火)13:55 | 第10報で、攻撃者とみられる者による情報の公開を12:30に確認したと公表 |
| 10月27日(火)14:55 | 第11報で、公開された情報の転載や拡散をしないよう呼びかけ |
| 10月27日(火)19:10 | 第12報で、情報が公開された利用者への特別見舞金と、懸賞金の制度を発表 |
第4報では、攻撃者からの脅迫の内容として、70を超える証券会社・FX会社などでの取引口座の不正操作の継続、情報の公開とランサム攻撃などを挙げています。
GMOインターネットは、攻撃者からの要求には応じない方針を、第4報以降のお知らせで繰り返し示しています。
要求に応じても、取得された情報の削除や不正利用の防止が保証されるわけではないことを理由に挙げています。
お名前.com デスクトップクラウドの現状(10月27日時点)
10月27日の時点で、サービスは止まったままです。
GMOインターネットは第4報で、不正アクセスを受けた今のシステムをそのまま再開することはせず、セキュリティの仕組みを作り直す判断をしたと発表しています。
第10報によると、攻撃者とみられる者が、GMOインターネットと利用者に関する情報と称するものを公開したことを、10月27日12時30分に確認しました。
公開された内容は確認中で、事実と異なる内容が含まれるおそれがあるとしています。
公開された情報に自分の情報が含まれていることを確認した利用者には、個別に連絡するとしています。
ランサムウェアの攻撃は、10月27日13時55分の時点で確認されていません。
預かった端末の解析も続いていて、10月27日11時59分の時点で、解析を終えた端末からはマルウェア(ランサムウェアを含む)は確認されていないと第9報で報告しています。
ただし、解析は続いていて、すべての利用者の端末の安全を確認したわけではないとしています。
調査には、トレンドマイクロなどのセキュリティ企業やAI企業から協力の申し出があり、内容を調整中です。
GMOインターネットは、公開された情報と称するものにアクセスしたり、拡散したりしないよう強く呼びかけています。
そのサイトにアクセスした人の情報は攻撃者に取得されていることを確認したとしており、すでにアクセスした人には、ウイルス対策ソフトでのフルスキャンを求めています。
お名前.com デスクトップクラウドの利用者が今やること
GMOインターネットは、被害の拡大と二次被害を防ぐため、利用者にいくつかの対応を求めています。
第6報などで案内されている内容を、チェックリストにまとめます。
- 取引口座と取引ツールのパスワードを、取引に使っていない別の端末から変更する
- 証券会社・FX会社のマイページか窓口で、ログイン中の全セッションを切断する
- 取引口座の取引履歴と残高を確認し、身に覚えのない取引があれば取引先の会社に連絡する
- 二段階認証(多要素認証)が使えるサービスでは設定する
- サーバー内やブラウザに保存していたID・パスワードを変更する(同じパスワードを使い回している場合はそちらも)
- サービスに接続したパソコンやスマートフォンを、ウイルス対策ソフトでフルスキャンする
- 大事なデータを、ネットワークから切り離した外付けのストレージにバックアップする
- 心当たりのない連携アプリ、転送設定、拡張機能、登録端末を削除する
第3報によると、パスワードを変えたあとも、取引先のサーバーの仕様によっては、それまでの接続がしばらく残り、第三者が取引を続けられる場合があります。
そのため、すでにパスワードを変えた人も、セッションの切断は必ず行うよう案内されています。
第6報では、点検が終わるまで、ブラウザの同期をオンにしないことも求めています。
また、第8報から第10報では、バックアップを取ったうえで、パソコンのネットワークを切り、電源を落としてケーブルを抜くよう依頼しています。
お名前.com デスクトップクラウドの見舞金と補償の内容
GMOインターネットは、利用者に向けて、いくつかの見舞金と補償を発表しています。
第4報と第12報の内容を表にまとめます(2026年10月27日時点)。
| 種類 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| お見舞金 | 今サービスを利用しているすべての人 | 金銭的な被害の有無にかかわらず一律5000円 |
| 特別お見舞金 | 公開された情報に自分の情報が含まれているとGMOが確認した人 | 情報の区分ごとに、基本的な情報1万円、金融・認証に関する情報1万5000円、プライバシー性の高い情報2万5000円。合計で上限300万円 |
| 不正取引の損失の補償 | 調査で本件に起因する不正取引と認められた取引があった人 | 取引の差損や手数料など、実際に出た損失 |
| 代替サービスの無償提供 | 引き続きWindowsのデスクトップ環境を使いたい人 | 独立したクラウド基盤の代替サービスに乗り換えると、6か月無償 |
特別お見舞金は、一律5000円の見舞金や損失の補償とは別に支払われます。
不正取引の補償では、市場の変動による損失や、得られたはずの利益などの間接的な損害は対象外です。
補償を受けるには、取引の日時・内容・損失額が分かる情報の提出が必要で、取引所などにも取引の取り消しや返金を相談するよう求めています。
取引所などから返金があった場合は、その分を差し引いた残りをGMOインターネットが支払い、返金に応じない場合もGMOインターネットが対象の損失を支払うとしています。
代替サービスへの移行は、利用者の同意なく行うことはないと説明されています。
このほか第9報では、ランサムウェアの被害にあった利用者には、被害を確認したうえで、同じくらいの性能の新しいパソコンを提供するとしています。
お名前.com デスクトップクラウドに便乗した詐欺に注意
今回の件に便乗したフィッシングメールや詐欺に、GMOインターネットは注意を呼びかけています。
GMOインターネットが、メールや電話でパスワードや認証コードを聞くことはありません。
「被害金を取り戻す」などと言って費用を求める連絡にも、応じないよう案内されています。
メールやSMSに書かれたリンクやファイルは開かず、お名前.comのお知らせページで内容を確かめるよう求めています。
不正アクセスをした第三者を名乗る人からメールやメッセージが届いた場合も、URLやファイルを開かず、返信しないよう呼びかけています。
お名前.com デスクトップクラウドの今後の予定と問い合わせ先
見舞金や補償の手続きは、これから順にメールで案内される予定です。
公式発表に書かれている予定は、次のとおりです(2026年10月27日時点)。
| 予定 | 内容 |
|---|---|
| 10月28日(水)12:00 | GMOインターネットグループが「GMOサイバー犯罪撲滅・懸賞金」の情報提供の受け付けを開始 |
| 10月30日(金)23:59まで | 一律5000円の見舞金の受け取り方法と支払い時期、代替サービスの開始時期と申し込み方法をメールで案内 |
| 11月6日(金)まで | 不正取引の補償の申請方法、必要書類、受付期間、支払い時期を公式サイトとメールで案内 |
懸賞金の制度は、事件の解明につながる情報を募るもので、総額の上限は100万米ドルです。
GMOインターネットグループは、一般の人に独自の調査や犯人との接触を求めるものではないとし、SNSでの憶測による犯人捜しも控えるよう呼びかけています。
代替サービスの開始時期や、移行を希望しない人の契約・料金の扱いも、10月30日までのメールで案内されることになっています。
問い合わせ先は、お名前.comのお問い合わせフォームと、電話の03-5456-2560(土日・祝日を含め24時間受付)です。
お名前.com デスクトップクラウドの不正アクセスは補償の案内を待ちつつ対策を
お名前.com デスクトップクラウドは、10月20日に不正アクセスが確認されて以降、全サーバーが止まり、10月27日には攻撃者とみられる者による情報の公開も確認されました。
GMOインターネットは、一律5000円の見舞金、不正取引の損失の補償、情報が公開された人への特別見舞金、代替サービスの6か月無償提供を発表しています。
利用者は、パスワードの変更とセッションの切断、端末のフルスキャンを済ませたうえで、10月30日と11月6日までに届く予定のメールの案内を確認してください。

